プロテスタントの聖霊派とは

・聖霊派とは

キリスト教の世界は大きく西のカトリックやプロテスタントと東の正教会に分けることができます。

西方教会はかつてカトリックとプロテスタントで対立していましたが、現在はエキュメニカル派(リベラル派)と福音派(聖書信仰派)に分かれています。

大雑把な分類ではカトリックはエキュメニカル派で、プロテスタントにはそれぞれの教派にエキュメニカル派と福音派が存在します。

エキュメニカル派は聖書を字義通りに考えません。

一方で福音派は科学的にも歴史的にも文字通り正しいと考えています。

日本ではエキュメニカル派のカトリックとプロテスタントが協力して共同訳や新共同訳、聖書共同訳などの聖書が発行されました。

一方エキュメニカル派の聖書に反対する福音派は新改訳を発行しています。

プロテスタントの聖霊派は福音派の一種です。

福音派には聖書に記載された奇跡などが既に完了しておりもう起こらないと考える立場と現在でも起こりうると考える立場が存在します。

前者がアンチ・カリスマで後者がノン・カリスマです。

後者は奇跡などを信じていますが特に強調しません。

聖霊派は奇跡などの聖霊の働きや賜物を現代でも起きると信じており強調します。

賜物とは初代教会において生じた異言や預言、病のいやしや死人が生き返ること、悪霊追い出しなどです。

初代教会はキリスト昇天後の使徒たちが活動していた時代の教会を指します。

現代における聖霊派はペンテコステ派とカリスマ派に分類されます。

最初の発生したのはペンテコステ派です。

チャールズ・パーハム
1901年1月1日にホーリネス派の牧師であるチャールズ・パーハム(1873年~1929年)が女学生のアグネス・オズマンに按手をしたところ、その場にいた者たちが異言を語りだしたとされます。

パーハムは聖霊のバプテスマを受けることが大患難時代を逃れる唯一の方法であり、異言が聖霊のバプテスマを受けた唯一の証拠であるとしました。

大患難時代とは新約聖書のマタイ福音書24章21節で「大きな苦難が来る」と言われているもののことです。

キリスト教の終末論にはこの大患難が既に起こったとする説や現在も続いているとする説、未来に起きるという説などがあります。

そのときには、世界の初めから今までなく、今後も決してないほどの大きな苦難が来るからである。(マタイ24:21)

聖霊のバプテスマは新約聖書でイエスが授けるとされた聖霊による洗礼のことです。

わたしは、父が約束されたものをあなたがたに送る。高い所からの力に覆われるまでは、都にとどまっていなさい。(ルカ24:49)

ヨハネは水で洗礼を授けたが、あなたがたは間もなく聖霊による洗礼を授けられるからである。(使徒1:3)

あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そして、エルサレムばかりでなく、ユダヤとサマリアの全土で、また、地の果てに至るまで、わたしの証人となる。(使徒1:8)

・ホーリネス派とは

ジョン・ウェスレー
ジョン・ウェスレー(1703年6月28日~1791年3月2日)はイギリス国教会の司祭でメソジスト運動と呼ばれる信仰覚醒運動を指導しました。

メソジスト運動からメソジスト派というプロテスタント教会が生まれアメリカやヨーロッパ、アジアで大きな勢力を持つようになります。

メソジスト教会の内部から信仰復興のためのホーリネス運動が起こりました。

この運動の結果生まれた教団がホーリネス派です。

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