スピリチュアルについて

スピリチュアルとスピリチュアリティ、スピリチュアリズムは似た言葉ですが、それぞれに全く異なる意味合いがあります。

まず本来のスピリチュアルはラテン語のスピリトゥスに由来するキリスト教用語です。

宗教・精神的な物事や教会に関する事柄、神や聖霊、教会、魂、精神のという意味があります。

その他にも超自然的な、神聖ななどの意味が存在します。

様々な宗教などで非常に優れた性質や超人的な力を持つ不思議な性質、天賦の聡明さなどという意味で霊性という言葉が使われることがあります。

霊性は肉体に対する霊の意味でも使われます。

キリスト教では宗教心の在あり方やカトリック教会などにおける敬虔や信仰などの内実、伝統などを指します。

ラテン語のスピリトゥアリタスの英語訳であるスピリチュアリティが霊性の訳語とされることもあります。

カトリックの神学用語としての霊性は5世紀頃に発生しました。

神学用語として積極的に使用されるようになるのは20世紀初頭のことです。

その後はキリスト教だけでなく様々な宗教用語や一般的な文化用語としても使用されるようになりました。

・黒人霊歌について

アメリカでは黒人奴隷にキリスト教が広まり、白人の宗教歌とアフリカの音楽的な完成が融合して黒人霊歌が生まれます。

黒人霊歌はスピリチュアルと呼ばれています。

明確な音楽的特徴はなく黒人が関与した宗教歌を一般的に黒人霊歌と呼びます。

霊歌(スピリチュアル・ソング)という名称は、新約聖書のパウロ書簡である「エフェソスの信徒への手紙」と「コロサイの信徒への手紙」に由来しています。

酒に酔いしれてはなりません。それは身を持ち崩すもとです。むしろ、霊に満たされ、詩編と賛歌と霊的な歌によって語り合い、主に向かって心からほめ歌いなさい。(エフェソの信徒への手紙 5:18~19)

キリストの言葉があなたがたの内に豊かに宿るようにしなさい。知恵を尽くして互いに教え、諭し合い、詩編と賛歌と霊的な歌により、感謝して心から神をほめたたえなさい。(コロサイの信徒への手紙 3:16)

19世紀初頭には野外礼拝用の賛美歌がスピリチュアル・ソングと呼ばれるようになります。

スピリチュアルが賛歌や黒人霊歌を指すようになったのは南北戦争後とされています。

黒人霊歌には奴隷の歌や賛美歌など様々な呼び方がありましたが、1960年代にはスピリチュアルという呼び方が一般化しました。

0 件のコメント:

コメントを投稿